【神社】金比羅大神宮(羽曳野市)

金比羅大神宮

「金比羅大神宮(こんぴらだいじんぐう)」は、大阪府羽曳野市古市にある神社です。竹内街道や東高野街道といった歴史的な街道が交わる交通の要衝として古くから発展していた古市の町の南東に鎮座する神社で、水運や航海の神として崇敬される「こんぴらさん」にふさわしく、近くには南河内を南北に貫く石川が流れています。

古市の金比羅大神宮の正確な創建年は不詳です。社号標には「金比羅大神宮」とありますが説明板には「金刀比羅神社」とあり、玉垣で囲われた境内はコンパクトで社殿は西向きに建っています。四国讃岐の「金比羅さん(こんぴらさん)」こと金刀比羅宮(香川県仲多度郡琴平町)を総本宮として全国に600社ほどある「ことひら」と名の付く(漢字は琴平、事比羅、金比羅など)神社の一つで、大物主神を祀っていると思われます。

水運や漁業の神、航海の神として船員の安全を守ると崇められたこんぴらさんは、江戸時代頃になると商人や水運業者によって日本中に広められましたが、この古市に金比羅大神宮が勧請された背景には、江戸時代の当地は陸路だけでなく石川を使った水運業が盛んだった証といえます。

かつて旧大和川をはじめ寝屋川、恩智川、平野川などの川では船の先端部(舳先)が剣のように尖った「剣先船」と呼ばれる全長20m前後、幅約2m、深さ約0.5mほどの船(積載量は最大約3トン)が活躍しており、石川でも古市だけではなくさらに上流の富田林市川面町付近まで遡って貨物の運搬などを行っていたようです。


説明板によると、古市町内で祀られていた金刀比羅神社は昭和初期に現社地に移転。剣先船が姿を消した明治以降も古市東町の人々は有志で金刀比羅講を結成し、毎年7月10日には祭典を実施しているそうです。境内の石碑には1964年(昭和39年)8月15日に大乗川改修のためこの地に移したことが記されています。なお、古市地区の旧市街は東町、西町、南町、北町、中町、堂之内町の六町で構成され、現在でも各町で地車(だんじり)を所有し、産土神である白鳥神社の秋の祭礼時には同神社に宮入りしています。

●金比羅大神宮について詳しくは →https://kininarugou.blogspot.com/2022/02/furuichikotohiradaijingushrine.html


アクセス

近鉄南大阪線・長野線「古市」駅から国道166号(竹内街道)を東に300mほど進み古市六町蓑の辻会館前の「蓑の辻」を右折し東高野街道に入り、南に約260m進みます。高屋橋を渡って左折し、川沿いに250mほど歩くと金比羅大神宮があります。駅から東の国道166号は西行きの一方通行区間があるため駅前から車では行けません。

国道170号(旧道)から向かう場合は「城山北」交差点から東に入り、道なりに約400m進んで踏切を越えて右折し、さらに250mほど進むと右手に当社が見えます。

金比羅大神宮に参拝者用駐車場は無いようです。


2020年10月撮影

金比羅大神宮(羽曳野市)

金比羅大神宮(羽曳野市)

金比羅大神宮(羽曳野市)

金比羅大神宮(羽曳野市)

金比羅大神宮(羽曳野市)

金比羅大神宮(羽曳野市)

金比羅大神宮(羽曳野市)



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