【神社】正井殿(松原市)
正井殿
「正井殿(まさいでん)」は、大阪府松原市岡にある神社です。名称に「神社」や「宮」ではなく「殿」と付く珍しい神社で、周辺はスーパーマーケットや小学校、住宅街となっています。
正井殿の正確な創建年は不祥ですが、現地の説明板によると御祭神は素佐之男命(素戔嗚尊)で、鎮座地周辺の岡地区と立部(たつべ)地区に深く信仰されている、と記載されています。記録では、慶長年間(1596年~1615年)に焼失したものの、寛永年間(1624年~1645年)に再建されたようで、1872年(明治5年)に竹内街道と中高野街道が交わる交差点(現在の松原南コミュニティセンター)付近に移転。しかし、疫病が流行したため1905年(明治38年)に旧社地に戻ったそうです。
江戸時代には正井殿の御神木「連理の松」(連理とは1本の木の枝が他の木の枝につき、1本の木のように木理(木目)が同じになること)が有名で「河内鑑名所記(かわちかがみめいしょき)」にも登場。その地にちなんだ短歌(狂歌)や俳諧も掲載されている同書には、意朔の「巣やかけん比翼連理の松の枝」や如貞の「契り来なけ連理のまつそ郭公」といった連理の松を呼んだ作品が紹介されています。なお、「正井殿」は「間西天」との表記もあったようです。
正井殿の境内は東西約20m、南北約40mほどで鳥居や社殿は南南東を向いています。本殿と向かって右側にある境内社の楠本大神(稲荷社)の社殿は鉄筋コンクリート造りで、独特の形をした屋根となっています。楠本大神は稲荷社のようです(同じ松原市内の大堀八幡神社には楠本稲荷社、神戸の湊川神社には楠本稲荷神社という境内社があります)。境内社は境内の南西、正井殿入口の鳥居をくぐってすぐ左側にも「岡光大神」が祀られています。
アクセス
近鉄南大阪線「河内松原」駅前の府道12号堺大和高田線(ヤマタカ線)「上田」交差点から中高野街道(新道)を南に約1.3km進み、スーパー「食品館アプロ 岡店」前の信号のある交差点(角に中高野街道の記念碑などあり)を左折した70mほど先に正井殿があります。
府道2号(中央環状線)「丹南東」交差点からは北に約400m先の中高野街道の記念碑とスーパーの前の信号を右折し約70m。
公共交通機関では、「河内松原」駅から近鉄バスで「岡北口」バス停下車。少し南に前述のスーパーがあります。
正井殿に駐車場は無いようです。
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