【古墳】二子塚古墳(太子町)
二子塚古墳
「二子塚古墳(ふたごづかこふん)」は、大阪府南河内郡太子町山田にある古墳です。南河内地域の平野部には、巨大前方後円墳を多数有し世界文化遺産にも登録された古市古墳群がありますが、こちらは二上山西麓の丘陵地に広がる磯長谷古墳群を構成する古墳の一つで国の史跡に指定されています。
その形は、双方墳という二つの方墳をつなぎ合わせた極めて珍しい形状です。現在、発掘調査によって双方墳と確認されているのはこの二子塚古墳のみです。
現地説明板などによると、二子塚古墳は一辺約25mの方墳二基が並び、その主軸長は60mを越えます。幅は約35mで墳丘は3段築成。墳丘表面に葺石や埴輪は認められないものの敷石が確認されている他、墳丘の周囲に周溝の掘削が認められます。また、築造時期は7世紀中葉と考えられています。二つの墳丘にはそれぞれ南東方向に開口する横穴式石室があり、その中にはほぼ同じ形、同じ大きさの横穴式石室がそれぞれに構築されており、中には珍しい蒲鉾型の家形石棺が納められています。
第33代推古天皇と竹田皇子が葬られたとされる推古天皇陵(山田高塚古墳)から東南東に約200mの距離にある二子塚古墳ですが、こちらにも二つの石室があることから、地元では二子塚古墳が推古天皇と竹田皇子の真の合葬陵墓であるとの伝承もあります。
近年は、墳丘や石室の劣化が進み適切な保存管理が急務となっていたことから、太子町では2016年(平成28年)度から2017年(平成29年)度にかけて発掘調査を実施。今後は開口している石室はそのままに、のぞき込み見学が可能なようにしながら墳丘を保護。また、墳丘保護のためやむなく墳丘上の桜を伐採したことから、エントランスゾーンに新たに桜を植栽して景観を継承し、見学路やトイレを設置するなど保存整備事業が進められる予定です。
●二子塚古墳について詳しくは →https://kininarugou.blogspot.com/2022/05/futagozukakofun.html
アクセス
公共交通機関では、近鉄南大阪線「上ノ太子」駅から金剛バスに乗車し「二子塚前」バス停で下車。バス停のすぐ北側にある交差点を左折し西に向かい、道なりに300mほど進んで太子町立学校給食センターの手前を右に入り坂を上り始めると正面に二子塚古墳が見えてきます。
二子塚古墳に見学者用駐車場はありません。
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